『Nのために』から見た人性の善悪

 2022-01-19 11:01

目         次

一、はじめに 1

二、『Nのために』について 2

三、作家の善悪観 8

四、おわりに 9

致 谢 13

『Nのために』から見た人性の善悪

袁方 20121322022

要旨:湊かなえは有名な日本推理小説家である。『Nのために』は湊かなえの代表作品の一つである。『Nのために』は人性描写の面において高く評価される。湊かなえは人性の善悪を詳しく表したと考えられる。作家が伝えたい善悪観をよく了解するために、本論は主人公の家庭環境、自身経験、自身性格という三つの部分を通じて、人間の善悪観を探り出したいと思う。みんなの行為とこの小説の主旨を組み合わせ、一人一人が隠れた性格を分析し、心底に隠された人性の善と悪をまとめる。

キーワード:人性;善悪観;家庭環境;性格

一、はじめに

 『Nのために』は、日本推理小説家湊かなえの推理小説である。湊かなえは、2007年、『聖職者』で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビューである。そして『聖職者』から続く連作集『告白』が2009年、第6回本屋大賞を受賞した。書籍の売り上げも累計300万部を超えた空前の大ベストセラーとなり、ほかの作品『贖罪』、『夜行観覧車』、『白ゆき姫殺人事件』などを世に広めた。

 湊かなえの作品のスタイルはほぼ似ている。彼女は社会の現状を述べると同時に、人生がキャラクタ―にもたらす深くて暗い影響をも詳細に叙述した。その悲惨な社会に脅されることで、結局、主人公の行為は物語の悲劇を引き起こす。が、悲劇だけではなく、普通の人と人の間の暖かさや愛こそ作品の主旨である。湊かなえの作品は人々の関心がある社会や家族問題を中心論点とし、人性の善と悪を詳しく分析した。その作品を読んだ後、いつも主人公はホントに周辺の人ではないか、と疑問するほどの現実感を覚えた。

 『Nのために』は2010年に発表された小説であって、世に出る時間が長くないので、本文について、先行の研究はあまりない。しかし、作者の有名な作品『告白』についての文献資料がたくさんある。作品の特徴が近いので、『告白』の研究を参考して本稿を書いた。作品の主役の人性に隠れた善悪を分析した後、作者の善悪観を了解する。作者はこの小説を通じて人性の尊厳と価値観をアピールしたがると思う。しかし、今までの先行研究には、主役の性格についての既存文献が少なく、広範の研究が不足で、まだ社会的関心が達していない。だから、主人公の人性について私なりの論述を展開しようと思う。

 そのため、本稿は『Nのために』の主人公の家庭環境、経験と性格から、それぞれの行動の動機を分析し、性格の奥に隠れた人性の善と悪を探す。みんなの行為とこの小説の主旨を組み合わせ、一人一人が隠れた性格を分析し、心底に隠された人性をまとめる。

  1. 『Nのために』について

 『Nのために』は湊かなえの有名な著作である。それは四つの若者が殺人事件のために、運命が変えられた物語である。自宅で野口と妻奈央子が死亡している:夫の頭が燭台に殴って、妻の脇腹から包丁が突き刺さっている。現場に居合わせたのは、20代の四人の男女、杉下、西崎、成瀬、安藤。現場に六つは全て「Ν」のイニシャルが付いている。現場で全員は自分で保護して欲しいNがあって、「究極の愛」のために、嘘をついて、真相を隠す。しかし、四つの目撃者の証言は驚くべき真実を明らかにしていく。その場で西崎が逮捕され、自供から有罪が確定し、懲役10年が言い渡された。10年後に、四人の運命は大いに異なって、ただすべて昔のことを疑う。このとき、命の時間があまり無い杉下は真相を求めたがる。そして、なぞに包まれた真相を明かす。

もう『Nのために』をテレビドラマに脚色した。2014年10月17日から12月19日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、日本のTBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された。演出は塚原あゆ子、山本剛義、阿南昭宏。脚本は奥寺佐渡子。主演は榮倉奈々、窪田正孝、賀来賢人、小出恵介、三浦友和。第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞最優秀作品賞のほか部門賞を受賞するなど、高評価を受けた。小説より、テレビドラマは人物の経歴を少し拡充した。そのうえ、六つの物語を結びつけるために、事件の真実を追求している刑事の配役を加える。それは合理的豊富的な物語になる。

  1. 杉下の善悪

杉下は健気な女の子で、向上に努める。高校時代、母や弟と浮気した父に追い出されてしまった。それから、引け目を感じて、いっそう懸命に生きていく。家庭の出来事で、他人と愛は信じるものではないと、自分の力だけで新たの人生を切り開いていこうと決意する。

  1. 健気

家から追い出された後、母は精神不安定になって、金銭を湯水のように使っていたが、一日で1カ月の生活費を使い切った。しかし、父が生活費を払うことを断ったことで、杉下は弟と母を餓死しないように、父の愛人に食べ物を頼んだ。食べ物を与えてくれる条件とし、杉下は跪かせられた。成長している弟と精神不安定の母を思うと、父の愛人の要求するようにした。「歯をくいしばらないと、涙がこぼれてきそうだった。ぐっと歯をくいしばり続けているうちに、ガリっと音が聞こえたような気がした。口の中に海の砂を押し込まれたような感覚。」1これは杉下が食べ物を頼む時の描写である。海の砂が心の中の苦しみを象徴する。愛人のことだから、杉下たちは追い出された後、帰られる家がなくて、困窮な状況に陥った。最終、杉下は愛人に跪いて食べ物を要請しなければならない。家族のために、ようやく自尊心を捨ててしまった。それから、心理的病気になるので、冷蔵庫に大量の食べ物をストックしないと、落ち着かない。そうすると、口の中の海の砂がなくなるような気がする。そして、東京にいたとき、ひとりでも相変わらず冷蔵庫に大量の食べ物を置く。こうした心の病気が治癒しにくい。

それは杉下の健気である。それも杉下の善である。善は善良だけでなく、強い意志を指す。弟は若く、母は現実を引き受けにくくて、一日中、ベッドで横になる。母は父が彼らを迎え帰るまで幻想を抱いている。このとき、杉下は家族の生活を担わなければならない。彼女の生き続ける意志がかたい。強い心を持っている人間は生活の困難を乗り越えることできる。

  1. 自分勝手

 杉下は目的を持って野口夫婦と出会う。野原の野バラ荘を保存するために、こっそり奈央子のエアタンクのバルブを閉める。そうすると、野口夫婦と夕食を食べ、一緒に将棋をする機会を手に入れ、ますます仲間がよくなる。このことから、杉下は目的を達するため、少しの方法と手段を使う。 私はここが杉下の悪だと思う。他人の利益を損しない前提に、少しの手段を使用し自分の目的を達するのは、私が理解できない。

 事件が発生する当日、野口は早めに杉下に将棋を教えてくれる。そのとき、野口は将棋で人事異動を決めた。そして、杉下は自分にとって重要な人物安藤を保護するため、西崎とのN計画を裏切た。これは悲劇を引き起こす。「あの事件の日、私は書斎に引き留めておかなければならなかった野口さんに、奈央子さんの不倫相手が今まさに奈央子さんを連れ出そうとしていることを、わざと打ち明けた。わたしを高いところまで連れて行ってくれた、安藤望のために。」2この頃、安藤の仕事のため、杉下は彼女にとって最も有利な選択をした。

 人々はたまに私利を図ることがある。これらは人性の悪の部分である。心の悪魔が彼女にこんな悲劇なことをもたらした。彼女はこの余生に西崎に深く恥じ入るばかりだ。

 完璧な人がいないので、杉下は善も悪もある。彼女の善悪観は自分の利益に基づくものである。普通の杉下は善良な人だが、一旦利益に及べば、人性の邪悪の部分が現れる。人間は知らないうちに家族環境に影響されるものである。家庭環境の劇変で、杉下は困難の立場に追い出され、自立するよりほかはない。だから、彼女は生活をたやすくなるために、自分の利益を第一位に置いたほうがいいと学ぶ。

  1. 西崎の善悪

 西崎は小さい頃、母に虐待された。そして、愛に対して誤った理解がある。 彼はよく母に吸殻で火傷され、叱られたり打たれたりする。これによって、彼は火が恐れている。しかし、虐待の行為は母が彼への愛だと誤解される。彼は理不尽な要求を受けることこそ本当の愛だと思っている。ほとんど野バラ荘の自室に閉じて、自分の想像スペースにおぼられ、ただ一心に文字で自分の愛への理解を表わす。他人と関わることよりも小説を書くことに没頭するほうがいいと思っていったが、杉下や安藤と出会ったはじめに、少しずつ外の世界に目を向け始める。ずっとよい友達を作ろうと思っている彼は、同様な経験がある奈央子に出会った時、うれしくてたまらない。だから、奈央子を救いたい。

  1. 罪責

 西崎は杉下の家を訪問する奈央子に出会う。奈央子は同じ不幸な境遇に遭ったから、彼の文学作品がよくわかる。彼女はしばしば夫の暴力を受ける。 彼女は相変わらず短気な夫を離れたくなくて、彼女も傷跡が愛の体現であると感じる。 奈央子はすぐこの自分と強い共鳴を起こす人と浮気をする。これから、西崎は短気な夫から奈央子を救うため、杉下と成瀬とNの計画を図る。事件が発生する日で、奈央子は愛への誤った理解に駆使され、夫を殺してはじめて幸福の生活を送られると感じて、夫を殺したすぐ自殺した。 西崎は、彼女が人殺す動機が愛だと思って、同時に母の代わりに贖罪したい。だから、自分は一切の罪責を引き受け、監獄に入る。

 西崎はすぐに措置を取らないから母がなくなったと思っている。「この世で一番愛され、愛している唯一無二の人だと思っていた。その人の愛を永遠にするためにする見殺しにした。—そう自分に暗示をかけるため、愛などなかったその人の世界に、愛があったことにしようとした。」 3小さい頃、彼は寝ていた母親を起こさなくて、火害が母の命を奪い取ったと見せた。彼はそれが母を愛しているからだと思う。大人になった後、傷跡がまったく愛ではないと認識して、母の死を思ったら恥ずかしい気持ちを覚えている。だから、奈央子が自殺した後、贖罪したくて、容疑なく自分ではない罪責を引き受けた。

 直接の邪悪ではないが、西崎の悪は曲げる感情観から生じる。西崎は小さい頃から母に虐待された環境にいるので、愛にたいして違った理解をしている。これは母の死亡の原因である。この点から見ると、家庭環境は子どもの価値観に重要な役割を果たしている。一方、西崎は同じあわれな境遇に遭う奈央子と不倫の恋をする。同情心があるが、他人の妻と浮気をするのは罪である。西崎は生まれた後、ずっと暗い所で生きている。大人になった後、彼は相変わらず暗い過去に逃れる。そこで、不幸な奈央子を救わない。それは二人の悲劇である。

  1. 親しみやすい心

 野バラ荘に、西崎は杉下の一番通じる友達である。全ての家族からの受けた傷害のように、彼らは同じ心理的な傷がある。西崎は、杉下の必ず大量の食べ物を冷蔵庫に塞がなければならないという病的習慣を理解できる。だから、彼はいつも杉下を支えてくれる。 一定の程度から見ると、西崎は杉下の「究極の愛」に対して理解し、また杉下も西崎の作品を深く理解できる。 事件が発生した後、西崎は杉下に真実を隠すことを頼んで、そして「野原のじいさんがいうには、俺たちは似たもの同士らしい。愛はないかもしれんが、罪を共用してくれ」4と言う。彼らはお互いに理解し信頼し合っている。

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