从《恍惚的人》两个汉译本看日汉翻译的难点

 2022-01-26 11:01

论文总字数:12807字

摘 要

  中文和日语在汉字的写法上十分相似,民族文化上也有相近之处,所以日汉翻译通常被认为十分简单,但事实却并非如此。原作和译本所产生的时代政治背景的差异,作者和读者生活环境的文化背景的差异,以及两种语言本身同时存在的相似性和差异性,都会给翻译带来困难。本文旨在从《恍惚的人》的两个汉译本的翻译问题出发,探讨日汉翻译的难点。

关键词:恍惚的人 日汉翻译 译本 难点

要 旨

 中国語と日本語の漢字の書き方や両国の民族文化が似ているから、日中翻訳は常に簡単だと思われるが、実はそれほど簡単なものではない。原作と訳本のできた時代の政治背景の相違、作者と読者が生活している社会環境の文化背景の相違、両言語そのものには共通点と相違点が同時に存在すること、全部日中翻訳に困難を与えかねない。本稿は、『恍惚の人』の中国語訳本の翻訳問題から、日中翻訳の難点を論じたい。

キーワード:恍惚の人 日中翻訳 訳本 難点

目  次

はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1

第一章 時代背景による日中翻訳の難点‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2

1.1 政治条件‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2

  1.1.1 政治条件と文学作品の翻訳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2

  1.1.2 政治条件から翻訳の難点を見る‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2

1.2 異文化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

  1.2.1 時代と文化の伝播‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

  1.2.2 異なる時代にできた訳本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

第二章 言語の相違点と共通点による日中翻訳の難点‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4

2.1 共通点から日中翻訳の難点を見る‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4

2.2 相違点から日中翻訳の難点を見る‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4

  2.2.1 言語構造の相違‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4

  2.2.2 呼称習慣の相違‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7

おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9

参考文献‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10

謝辞‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11

はじめに

1.1 翻訳とその難点

 翻訳とはある文章(原語文)を他言語で記述する行為である。翻訳は、異言語間の言語転換を通じて、特定の言語のわからない読者に原文の情報を伝達し、原文の作者と読者の間でコミュニケーションのメディアを提供する作業である[1]。その点から言えば、翻訳の大変重要な目的は異文化の交流、異国に育ってきた人間の思想と知恵の交流である。翻訳がそれほど重要な役をしているのに、その目的を実現することはそう簡単ではない。中日通訳の例で言えば、一衣帯水の隣国であり、何千年の文化交流があり、翻訳活動も盛んに行われているので、日中翻訳が常に簡単だと思われがちであるが、実は、原作と訳本のできた時代の政治背景の相違、作者と読者の文化背景の相違、両言語そのものには共通点と相違点が同時に存在することなどから、決して簡単なものではないと言わざるをえない。

1.2 『恍惚の人』とその訳本

 有吉佐和子は、日本の有名な小説家、劇作家、演出家である。『恍惚の人』がその代表作であり、1972年(昭和47年)に新潮社から出版され、確実にやってくる高齢化社会の流れを先取りして、老人問題を日本で初めて正面から扱った著名な作品である[2]。

 『恍惚の人』には二つの中国語訳本がある。1975年人民文学出版社から、署名が秀豊、渭慧という筆名で最初の中国語訳本が発行され、文化大革命時期中の数少ない日本文学作品のひとつになった[3]。そして、36年後の2011年南海出版会社から、李煒が翻訳した新しい中国語訳本が出版された[4]。「中国は1999年からすでに高齢者社会になり、世界高齢者が最も多い国家であるから」[5]、『恍惚の人』が掲示された高齢化社会は中国の参考になった。そのため、多くの日本語を読めない中国人にとって良い中国語訳本はとても重要である。しかし、年月が隔たったこの二つの訳本は、共に多くの翻訳問題が存在しており、その問題は日中翻訳の難点が翻訳実践の中での表現である。

 今まで中国に『恍惚の人』を研究する論文は少ない。作品が表現した社会問題と作品の文学的特徴を研究した論文があるが、訳本についての研究は非常に少ない。中国知網(http://www.cnki.net/)から検索した結果、『「恍惚の人」の訳本比較研究――二訳本の相違に見られる翻訳法について』という論文しかない[6]。その論文は、文学の翻訳理論、原作の内容と風格の面における翻訳法選択の比較で、翻訳法を選択する要因を研究したが、二つの訳本における数多くの翻訳問題やその問題を生ずる翻訳難点を触れていない。

 それで、本稿は、違った時代と文化背景の下で翻訳した『恍惚の人』の二つの訳本から、翻訳問題を指摘し、日中翻訳の難点を論じてみた。

第一章 時代背景による日中翻訳の難点

1.1 政治条件

1.1.1 政治条件と文学作品の翻訳

 時代によって文学作品の翻訳の運命が異なる。その原因のひとつには政治的条件が翻訳活動に与える影響がある。詳しく言えば、政治的条件には、政府が翻訳活動やある国の文学作品に対する態度がある。政府は積極的な態度を取っていると、ある言語の文学作品の翻訳作品は相応的に増え、良い文学翻訳の環境が構築でき、翻訳者は社会的地位や翻訳成果が認められるための熱意をより多く示すことがある。逆に政府は消極的な態度を取っていると、文学翻訳は苦境に陥り、翻訳者の生存さえも危うくなる可能性がある。

 上記の人民文学出版社が出版した訳本(以下は「人民本」と略称する)はかなり特別な時代、文化大革命時代に翻訳したものであり、人民本に対して、南海出版会社が出版した訳本(以下は「南海本」と略称する)は近年翻訳したものである。両訳本の政治的条件が完全に異なっているので、それぞれの翻訳に与えた困難も違う。

1.1.2 政治条件から翻訳の難点を見る

 文学作品の価値への評価はどんな時代にでも、政治背景の影響を受け、必ず政府の方針に合わせなければならないので、翻訳の難点のひとつである。それが原因で、作品に対する誤解が生じる可能性がある。翻訳の本質はある言語の優秀な作品を異言語の人に見せることにあるが、間違った評価は原作の価値が体現できず、翻訳の仕事の意味も台無しにしてしまう可能性がある。

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