日本の職場で女性へのジェンダーについて

目次

一　はじめに……………………………………………………………1

二 女性をめぐる仕事環境…………………………………………… 2

三 日本の労働市場におけるジェンダー不平等の実態についての分析……………………………………………………………………6

四 職場におけるジェンダー不平等の日本の経済発展と社会への響響……………………………………………………………………10

五 平等な雇用環境への提言…………………………………………13

六 終わりに……………………………………………………………14

致谢 ……………………………………………………………………17

日本の職場で女性へのジェンダーについて

陆敏　　20141322011

要旨：日本では経済の持続的な発展と少子高齢化の深刻化とともに、女性の就業者数が増えている。しかし、仕事を持つ女性が増えたと言っても、職場における女性の地位や就労環境が整っているとは言いがたい。職場でのジェンダー不平等はまだ存在しており、男女の不平等な雇用機会をもたらす結果となっている。日本の経済と社会の発展のためには、職場におけるジェンダー不平等が発展の障害となっている。多くの現実的な社会問題に直面している今、職場におけるジェンダー差別を減らし、女性の労働力資源を有効活用することは、日本の経済発展に大きな影響を与えるはずだ。したがって、職場のジェンダー不平等が日本の社会に及ぼす影響は熟考する価値がある。

キーワード：女性労働力；仕事環境；ジェンダー；日本経済；女性活用

一　はじめに

　ILOの発表した経済活動人口推計などによると、日本でも、世界でも労働人口における女性の割合が増えている。少子高齢化で労働人口が減少している現在では、女性の労働力は日本の人的資源にとって重要な部分を占めている。このような状況下で就労する女性が増えているが、職場のジェンダー不平等は未だに根強く残っている。ジェンダー不平等は、古代から現在までの社会生活や社会文化にさまざまな影響を与え、いろいろな面で反映されている。

　日本の労働力市場を例にとってみよう。｢男性は仕事、女性は家庭」という根強い伝統的な考え方のために、女性は常に雇用の弱い立場に置かれている。日本企業が労働力としての女性を軽視するのが常態となっている。これは女性が平等に労働権を享受することを妨げ、社会の人的資源の大きな浪費であり、同時に日本の経済発展にとっても障害となっている。今の職場では、性別役割分業^１、賃金格差などのジェンダー不平等は珍しくないことである。これらはすべて、女性の雇用促進と社会経済発展を妨げる不利な要因である。職場におけるジェンダーの問題は一朝一夕に解決することはできないが、社会や政府も対策を講ずる必要がある。特に、少子高齢化の進行とともに、労働力の不足が予想されている。現在、女性は潜在的な労働者として、非常に重要である。職場のジェンダー不平等の影響は軽視することはできない。したがって、職場でのジェンダー不平等について、この現象の根源および社会への影響を深く探り、その障害要因を発見し、女性の労働活用を促進し、有効な対策を提案することは、日本の雇用平等と経済の発展にとって、とても重要であり。本文では、このような女性の仕事環境と日本の労働市場におけるジェンダー不平等を多面的に分析、考察して、女性のための平等な雇用環境への有効な提言を行う。特に、労働力不足解消のための手段として「女性の労働活用」に焦点を当てることとする。

　先行研究の中で、女性の雇用状況を関心をもって見守るのは、人的資源や社会的平等の開発の分野で注目されているトピックになっている。

　富田洋三は「経済のサービス化と女性労働」^２の中で経済の発展は女性労働と関係していると述べている。また、サービス業の拡大は、多くの女性労働者を吸収したが、サービス産業の生産性³は比較的低く、報酬も低いので、女性の労働力の増加は実際には安い労働力を増やしたにすぎない。このような状況を改善できない場合、女性の労働率が上昇しても、国民の豊かさの程度の増加を意味しないと指摘した。この見解は現代女性の雇用環境を反映している。男性と比較して、女性の就職出発点は低い。その結果、賃金格差やsex segregationなどの現象があった。女性は主にサービス業などの低レベルの産業で働いている。sex segregationは雇用平等に大きな影響を及ぼす。

　本稿は、これらの見方を参考にして、文献法やグラフ法などの証拠方法で日本の職場におけるジェンダー差別について詳しく考察したい。

二　女性をめぐる仕事環境

　女性の就業実態の把握を行うのは重要である。女性が労働市場における重要な役割を果たすことができるグループとして、女性の労働環境が重視されるべきである。労働環境の意味は二つに分けられる。1つは労働時間や室内環境などの物理的なものである。もう一つは心理的なもので、周りの人の考えや女性に対する態度などのことである。女性の仕事環境を分析するのは、女性の雇用平等を促進することにとって、とても重要である

1．女性労働率の現状

　女性の活用を促進し、労働力不足を改善するためには、まず、女性の就業現状や仕事環境を確認することが必要である。総務省統計局の「平成２９年労働力調査」のデータによると、2017年平均の就業者は6530万人と､前年に比べ65万人増加｡その中､男女別みると､男性は3672万人と17万人の増加､女性は2859万人と49万人の増加を示している｡平均の就業率から見ると､男性は68.4％と0.3ポイントの上昇、女性は49.8％と0.9ポイントの上昇を示している。このデータから女性の労働人口は増加傾向にあるが分かる。女性の労働参加率はますます高くなる。しかし、女性の労働率が上昇傾向にはあるものの、男性と比べて、依然として低い水準にあるのが現状である。そのため、女性労働力の開発の必要性は依然として大きいといえる。

図1　就業者の推移（総務省統計局　労働力調査　平成29年平均速報によるhttp：//www.stat.go.jp　2018年3月29日に訪問した)

2．女性労働人口の年齢分布

図2 女性の年齢階級別労働力率の推移（内閣府男女共同参画局　第1-2-1図女性の年齢階級別労働力率の推移による　http://www.gender.go.jp　2018年3月22日に訪問した)

女性の年齢階級別労働力率の推移について見てみると、日本の労働力率曲線は「Ｍ字カーブ』になる。日本で一般的に見られる女性の就労形態は、多くは20歳代で就職し、その後、結婚、育児期にひとまず離職し、子育てが一段落した後に労働市場へ復帰するというものである。この図から見ると、労働率は子育て時期にあたる年齢（30歳左右）で大きく落ち込むことになる。これは、結婚と子育てが女性雇用にとって大きな障害であることを示している。女性の就労状況の形成は婚姻と育児の二つの要因に左右されている。家庭の責任は今日でもなお女性の継続就労が短命になりがちな主要因の一つとなっている。女性雇用の年齢分布は女性にとって仕事環境の整備が非常に重要であることの表れである。

3．日本女性の雇用形態から見て

　雇用形態とは、会社と労働者が雇用契約を締結する際の採用の種別のことを言う。具体的には、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートタイム労働者などである。

図3　年齢階級別非正規の職員、従業員の内訳(総務省統計局　労働力調査（詳細集計)平成29年(2017年)1~3月期平均(速報)による http://www.stat.go.jp 2018年3月22日に訪問した)

雇用形態から見ると､女性は非正規で働く人が多い｡女性の非正規職で働く人の割合は68.4%であり､男性は31.8%､女性の非正規職の割合は男性の2倍以上である｡非正規職の職員､従業員を年齢階級別に見ると､女性は45~54歳が354万人(25.5%)と最も多く、次いで35~44歳が22.2%などとなった。少子高齢化の社会現状では、仕事と家庭との両立のニーズが高まる中、女性がより活躍するためには、多様な働き方の選択肢を増やすことが必要である。それゆえ、パートタイムなどの非正規職雇用も一概には否定できない

　しかし、女性の非正規職の状況は、女性の雇用平等に多くの問題をもたらしている。日本の女性の雇用形態は短期雇用を特徴としており、性別によって雇用形態が大きく異なっている。このような状況の中で、女性の多様な働き方の選択肢を広げるとともに、女性の能力を十分に発揮できる働き方を実現させるには、非正規雇用の女性の正社員転換、待遇改善が重要である。

三　日本の労働市場におけるジェンダー不平等の実態についての分析

1．不均等な雇用機会

　労働市場は女性の求職者に対する厳しい要求があり、女性に対する労働市場参入の基準が高い。女性の地位はいまも上昇し続けている。が、雇用機会はまだ男性のそれよりはるかに低い。社員募集に際して、応募者の性別についての明示的な要求がない。しかし、応募者の個人資格が大体同じであれば、雇用主は男性を優先的に採用する。男性と比較して、女性が応募を成功させるの可能性は低い。新卒の場合、女性は、男性と比べて、さらに狭い雇用市場に直面する。また、雇用情勢はさらに厳しい。その理由として挙げられるのは、結婚や出産、育児休暇のための仕事の中断であり、女性は仕事に専念することができない。雇用者は人事異動による人件費の増加などの問題を考慮すると、女性をの採用を躊躇する。利益の最大化を追求する市場経済は雇主の力が強く、家庭からの影響が小さく、長時間労働が可能な男性を選ぶ。その結果、女性の雇用疎外化^４の問題が現れた。「女性は家庭を守る」という伝統的な考え方もあるので、女性が仕事に応募するとき、結婚や育児からの影響が甚大である。本来、家事・育児は男女が分担し合うべきものであるが、企業は目先の利益を追い求め、女性の労働市場参入の基準を高める。このようなことは、女性にとってとても不公平なやり方である。包括的な視点から見て、雇用機会の不平等は、女性自身の発展だけでなく日本経済の発展にとって、障壁となる。

2．sex segregation---horizontal sex segregation水平隔離（職種性別隔離）の現状

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