太宰治の逃避と反抗―『斜陽』から『人間失格』まで

 2022-01-19 11:01

目         次

一 はじめに 1

二 太宰治の生涯 2

三 『斜陽』における太宰治の絶望と希望………………………………………3

四 『人間失格』における太宰治の自白…………………………………………7

五 太宰治の逃避と反抗 10

六 終わりに 13

致谢…………………………………………………………………………………16

『斜陽』から『人間失格』まで

―太宰治における逃避と反抗―

宋佳佳 20131322023

要旨:太宰治は日本文学史上において重要な位置を占める人物である。彼の作品に関する研究は日本国内だけでなく、海外においても大いに行われている。その中、ほぼ同時代の作品『人間失格』と『斜陽』は日本文学「無頼派」の代表作とされ、退廃的な思想を伝えながら、その中には現実の社会問題や人間性、また太宰治自身の逃避と反抗も含まれている。

キーワード:太宰治;人間失格;斜陽;人間性;

― はじめに

2016年、動画『文豪ストレイドッグス』の大ヒットによって、日本で日本作家や作品を追憶するブームを起こした。太宰治はその中の主役の一人として、自殺に惚れる、散漫な人物設定であった。暗い、絶望、異端、理解できない、などというのが、太宰治に対する世間の一般的なイメージだと言える。確かに、戦争の作品にしても、恋愛の作品にしても、太宰治の作品には消極以外の何ものでもなかった。特に彼はその代表作『人間失格』ではこの消極的な傾向を完全に表現した。しかし、太宰治の人生は「頽廃」や「恥辱」に囲まれるのはなぜだろう。

従来、太宰治及び彼の文学作品に関する研究が大いに行われ、多くの成果が挙げられた。たとえば、山内祥史の『太宰治研究』1、千田宝の「太宰治『人間失格』における考察 」などがその代表的な研究である。千田氏は太宰治の年譜に基づいて、人間失格の創作過程と『人間失格』に現れた太宰の思想を研究した。そのほか、作品の戦争背景に関する研究(金 ヨンロン『国家と戦争と疑惑 : 太宰治『新ハムレツト』論』)や太宰治作品の女性イメージの研究(久留美大学大学院比較文化研究論集 『太宰治における女性的原理』)など、様々な角度から研究が行われている。本稿は、『人間失格』と『斜陽』を切口として、太宰治の作品に現れた現実からの逃避と現実への反抗精神、また彼の「分裂的」思想の成因について分析してみる。

二 太宰治の生涯

 太宰治の人生は誤解や伝説に彩られてきたと言えよう。これは、彼の作品が彼自身の生活経験と結びつけた結果であろう。

太宰治は1909年6月19日青森県北津軽郡金木村2で生まれ、日本無頼派3の代表作家として世間に知られている。本名は津島修治で、父は県下有名な大地主である。津島家は『金木の殿様』とも呼ばれている。学生時代、父は肺癌で死去、実家を離れて下宿生活を送る。

その時、芥川龍之介4、菊池寛5などを愛読して、17歳頃、『校友会誌』に、習作『最後の太閤』を書きながら、友人と同人誌『蜃気楼』を発行する。初めて作家を志望するようになる。その後、憧れの作家の自殺や戦争、恋愛、事業の失敗の影響で、彼の創作は次第に暗くなる。1948年6月13日に玉川上水で、愛人山崎富栄と入水して、6日後遺体を発見された。

 1928年12月10日太宰治は初自殺を図り、この一回目の理由は『苦悩の年鑑』の中でこう記載している『私は賤民ではなかった。ギロチンにかかる役のほうであった。』つまり、この頃、太宰治はもう自分の身分と思想の違うことを困っている。1930年10月、太宰は小山初代と結婚したいが、家族は強く反対。11月、太宰は実家との分家除籍を条件に結婚を認められる。同月28日、女給田部シメ子と鎌倉・腰越の海に自殺を図るが、メシ子だけ死亡した。1935年都新聞社6の入社試験が不合格になって、3月、三回目の自殺を試した。4月、腹膜炎で手術を受けて、入院した。この間、鎮静のために用いたパピナ一ルが中毒となって、翌年もこれをために再入院した。1937年、初代の不貞行為が発見して、3月、初代と自殺未遂、6月、初代と別れた。1948年最後の自殺、山崎富栄と入水した。

三 『斜陽』における太宰治の絶望と希望

1 『斜陽』のあらすじ

『斜陽』は太宰治が1947年『新潮』に連載、同年12月単行本として発行される。小説の背景は第二次世界大戦の後、日本最後の旧貴族としてのかず子親子二人は生活が苦しくなったため、伊豆で暮らすことになる。母の体が悪さがこの家の状況がますます悪くなって、主人公かず子は日一日と農婦になった。一方太平洋戦争中戦地に赴いたまま行方不明になっていた弟の直治は帰ってきたけど、貴族素性が憎って、この家族を忘れるため、周りの一切も無視して、終日荒れはてた生活を送る。さらに麻薬中毒もなっていた。かず子は弟を押しとめるため、弟の文学先生上原二郎と相談したこととて、逆に恋に落ちた。一方、直治は無頼な生活や先生上原さんの妻への許されぬ愛に苦悩していて、自殺した。彼の遺書は自分の弱さと貴族素性の恨みを告白した。直治の死と前後して、かず子と上原の不倫愛で、上原の子を妊娠した。そして、上原と離れて、新しい自分を追いとめるという人間性に関する没落貴族の話である。

2『斜陽』における太宰治の矛盾思想

 2.1 『斜陽』の誕生背景と現実

 『斜陽』の誕生背景は第二次世界大戦の後、日本社会が混乱に陥って、日本の伝統的な価値観や経済も崩壊された。政府の重大な政策錯誤を犯す、人民意識の希薄と生活の貧困を引き起こした。主人公かず子はこの時代一番苦しいの貴族階級である。旧貴族の生き様はもう時代と遅れ、変化しないと生きられないである。その中作者太宰治自身の経歴もある。ほぼ全書すべての主要人物の中、太宰治自身の特徴が見える。例えば没落貴族設定の直治、太宰治自身も同じ貴族出身で、自分の階層を離脱したい、同じ麻薬に惚れて、痛みに陥っている。本の最後、かず子の子供は貴族と平民の子供で、これも太宰が自分の身分が厭って、貴族階層を離脱するの思想も含めた。つまり、『斜陽』はその時代の悲劇と希望を書出した。

 2.2 『斜陽』の絶望

『斜陽』の主要人物が三つの類を分けられている。一つ目は旧貴族の代表、日本最後の貴婦人―かず子と直治の母親。彼女は伝統的な貴族、旧道徳を守って、どんな不公平な待遇があっても柳に風と受け流れてように抵抗しない。その結果は何も守られなくて、自分自身も破滅に歩き出した。時代に捨てられるの人である。これは旧貴族の未来の絶望。

二つ目は旧時代と新時代の中徘徊しているの直治と上原。直治はずっと自分の階層から逃げりたいけど、母の死亡ために自身の居場所がなくなった。一方、憧れの上原と同じの平民階層に入れなく、上原の妻との不倫愛、彼は深く痛みに陥た、最後自殺した。彼の遺書中、自分貴族素性を認め、自分の弱さと旧道徳を捨てられないの痛みを告白した。直治と彼の母は同じ、もがきするけど最後直治は高貴な貴族として死亡に向かっていく。自分憧れの階層に入れなくことを発見されるのは上原である。この本は時代の変革中、貴族の悲劇物語であるものの、なぜ平民階層出身の上原も『犠牲者』と呼ばれているの。これは『斜陽』の社会性である。この時代の被害者は旧貴族だけでなく、個々人は被害者になる可能性がある。上原は二戦後無頼派の代表人物で、彼のたいとうと堕落は戦後混乱社会の中一般民衆の代表である。彼は社会のすべてを否定して、自分の堕落とする、この社会と反抗した。しかし、反抗の後は限りなく絶望である。混乱社会に対しての絶望、無用政府に対しての絶望、自分の弱さに対しての絶望。彼は新しい環境を順応したいながら、空虚、不安な思想もある。直治と上原の絶望は過去と未来両方の絶望である。

三つ目は革命者の代表、この物語の主人公かず子。かず子は革命者にとして、この本の希望の象徴である。しかし、この本は成長の本で、かず子も無力感がずっと感じている。『この恐慌多いの世界、絶望の壁があるそうだ。』

 2.3 『斜陽』の希望と反抗精神

上記と同じ、主人公かず子は『斜陽』の希望の化身である。彼女はこの世界に失望するながら、運命に屈服しない、自分の意識を最後まで貫徹した。直治や上原と違う、かず子は本気で旧道徳を捨てって、新しい自分を探している。彼女と妻がいるの上原の不倫愛はかず子と旧道徳の反抗である。伝統的な道徳教育中、妻がいる人と恋愛することは許せないことである。さらに、対象は平民階層の人、これは旧貴族にとって、絶対禁止のものである。しかし、かず子はこの旧道徳を完全に捨てて、結婚しなくても上原と恋愛したい。この気持ちのために、彼女は一人で東京へ行く。上原の堕落変化を認識した後、彼女は迷うもなく、一人で新しい未来を探すと主張する。

彼女の『太陽のように生きている』の決心は『斜陽』の希望の光である。かず子の反抗思想は破壊精神である。破壊精神は『哀れで、悲しくて、そうして美しいものだ。破壊して、建て直して、完成しようという夢。そうして、いったん破壊すれば、永遠に完成の日が来ないかもしれぬのに、それでも、したう恋ゆえに、破壊しなければならぬのだ。』彼女はこの破壊精神を貫徹して、この混乱な社会の闇前の夕日になる。

四 『人間失格』における太宰治の自白

1 『人間失格』のあらすじ

『人間失格』は1948年『展望』六月号に『第一回』として、『はしがき』『第一の手札』『第二の手札』が、その後『第三の手札 一』『第三の手札 二』と『あとがき』がそれぞれ掲載された。主人公大庭葉蔵の手記という形式で、彼の『恥の多い生涯を送ってきました。』と書き出した。全書は大庭葉蔵の成長史である。主人公の少年時代、青年時代と中年時代三部分を別れ、作者太宰治自身の人生を清算して、葉蔵の独白を借りて、自分自身の痛みを言うことである。この本は5月18日完成した。その1ヶ月後の6月13日に最後の愛人山崎富栄と共に玉川上水で入水自殺した。本作は太宰治の『遺書』のような小説と考えられる声もある。

2 『人間失格』における太宰治の自白

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