『直美と加奈子』に基づいた日本家庭内暴力防止対策への検討

 2022-01-19 11:01

目 次

一 はじめに 1

ドラマにおける家庭内暴力 2

ドラマにおける家庭内暴力の原因への分析 4

ドラマにおける家庭内暴力対策への検討 8

終わりに 11

致 谢 14

『直美と加奈子』に基づいた

日本家庭内暴力防止対策への検討

高湘 20131322031

要旨:日本の家庭内暴力問題はずっと社会から広く関心を集めている。時代の発展に伴い、人々の教育水準が高まり、法律も徐々に完全に整備されたにもかかわらず、日本の家庭内暴力問題は依然として深刻な状態に陥っている。本稿はドラマ『直美と加奈子』を基づき、日本の家庭内暴力の特徴、原因から論述し、それから日本社会の現実と政府の対策も更に分析し、経済地位の不平等と伝統による悪い影響の深刻さ及び現行対策の不十分な所を指摘し、女性の経済地位を向上させると同時に、法律と教育の重要性を強調するものである。

キーワード:日本家庭内暴力;直美と加奈子;原因;防止対策;検討

一 はじめに

 2016年、ドラマ『直美と加奈子』の上映に伴い、日本の家庭内暴力問題は再び注目されるようになった。それに、2016年は丁度日本の『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案』が正式に実施されてからの15年目である。

 家庭内暴力とは配偶者や内縁関係間で起こる家庭内暴力のことを指す。「家庭内暴力による被害には,身体的暴力,言葉の暴力,心理的暴力,経済的暴力などが含まれる。」1また、「被害者と加害者の関係が夫婦や恋人同士のような特に親密な男女関係の中で起こっている暴力であることから,性的暴力の存在や周産期と暴力の関係などが指摘されている。」2

 それについて、学者たちは各角度から論述してきた。その中、天津社会科学院の師艶栄氏は論文『关于日本妇女遭受家庭暴力的思考』で現状、原因と対策三つの方面から論じた。中国社科院法学研究所の

黄列氏は『家庭暴力の理論検討』で理論上の原因を巡り、個人論、家庭論、文化と社会論などを述べた。日本の小西聖子氏の著書『ドメスティック・バイオレンス』には様々なものを説明してくれた。

 本稿はドラマ『直美と加奈子』に基づいた家庭内暴力の原因を分析し、日本の現状を含み、家庭内暴力の最大の原因を指摘することにより、生活中の家庭内暴力問題を解決する啓示を見出してみるものである。

二 ドラマにおける家庭内暴力

1 ドラマの紹介

 テレビドラマ『直美と加奈子』はこういうストーリーを話している。百貨店外商部で働いている小田直美は夢を叶えなく、退屈な日々を過ごしていた。ある日、大学の親友の白井加奈子と久ぶりに会い、専門主婦としての加奈子が夫の服部達郎の暴力に苦しめられていると偶然に分かった。ほどなく、直美は仕事中服部達郎とそっくりの中国密入国者林龍輝に出会った。加奈子を救うため、直美は殺人計画を考え出し、加奈子と相談した。その後、二人は服部達郎を殺し、死体を山に埋め、林龍輝を利用して達郎がお客のお金を窃盗し海外に逃げたと見せかけた。しかし服部達郎の姉の服部陽子は調べ続き、事実を明らかにした。窮地に迫られた二人は李朱美に協力してもらえ、中国に逃亡しようとした。

 このドラマには筋立て二つを設置していて、暴力を受けた加奈子と直美の母二人の女性を描き出した。加奈子が夫の暴力を耐え切れず、直美と協力し夫を殺すことによって、新しい生活を得ようとしたのは本筋で、直美の母が長期直美の父の暴力を受け、黙々と我慢し、直美の父が死んで初めて自由を手に入れたとは隠れた筋立てである。一つは明白で、もう一つは曖昧で、互いに呼応している。

2 ドラマにおける家庭内暴力とその特徴

 2.1 ドラマにおける家庭内暴力

 ドラマにおける暴力は大体二つある。一つは肉体的暴力である。服部達郎は常に力一杯で加奈子を蹴ったり髪を掴んだりしていた。もう一つは侮辱的言葉も含まれる精神的暴力である。直美が初めて加奈子の部屋を訪ねた時、達郎がいるので、加奈子は自分は幸せだと嘘をついた。それに、加奈子が達郎に暴力をやめてほしいと言おうとする時、手がブルブルとずっと震えていた。とうとう、加奈子は達郎の目を直視することさえできなくなってしまった。その中の精神的プレッシャーが想像に難くないであろう。

 2.2 家庭内暴力の特徴

 家庭内暴力に対象の特定性、行為の隠蔽性、行為の違法性、行為の反復性と手段の残忍性などの特徴がある。ここで特筆すべき一つは行為の隠蔽性であろう。

 一方、家庭内暴力は部屋で、婚姻関係のある家族の中で起きるので、ほとんど人に知られていない。ドラマを見たら分かる。家庭内暴力が発生する度、加奈子と達郎二人っきりで、暴力を阻止できる人は一人もいない。その中、加奈子が打たれた後真冬のベランダに閉じられたことがある。朝まで朝食を作るために部屋に許された。達郎が出勤して初めて病弱な加奈子が直美に助けを呼んだ。それでも、遅れた直美は加奈子の世話をする以外何もできなかった。

 他方、色々な原因で、女性は話したがらない。一つは上述した伝統文化の影響であり、もう一つは人の微妙な心理である。加奈子は妻として、自分は愛されていて、円満な家庭を持っていると思われたがるのは当たり前のことである。親友の直美にも、簡単に話せなかった。ドラマの初めには直美は彼氏ができたと嘘ついたので、加奈子も幸せな家庭を見せかけた。その後傷が気づかれ、直美の本音を聞いた後、加奈子は「私ね、直美が幸せじゃなくて、ほっとしたの。安心したんだよ。人生うまくいってないのは私だけじゃないって。」と言った。行間から「あなたが幸せじゃないから安心だ」という気持ちが出てくる。人の本質に対する暴露もドラマの見どころの一つと言っても過言ではないと思われる。

 空間と心理の二重の隠蔽性のため、家庭内暴力はますます気づきにくくなる。たとえ傷に気づかれたにしても、女性は自分が不注意でケガしたとお茶を濁すことが多い。肉親でなければそのままで放置することになるであろう。

三 ドラマにおける家庭内暴力の原因への分析

 日本の女性が暴力を振るわれる理由は様々で、随分複雑である。歴史と伝統によるものもあれば、社会と文化に影響されているものもある。

 1 根本的原因:男女の社会地位の不平等

 日本における家庭内暴力問題は深刻で、詰まる所は男女の社会地位は不平等からである。不平等に及ぶ要素も色々である。 

 1.1 経済的要素

 経済地位の低下は主な原因と思われている。2006年、韓国、日本、フィリピンなどアジアの13の国における男性と女性の社会経済地位の調査によると、日本女性の成就指数3は46.1であり、調べた国の中で最低で、女性の社会経済地位が低いということは分かった。 

 第一に、女性の経済独立は日本における「男性は外、女性は内」という社会の分業モドルにひどく阻害されている。年功序列と終身雇用も女性に向いていない。昔から、男性は外で働き、女性は家事を担当するのが伝統的な日本の家庭である。毎朝、妻は朝ごはんを支度し、夫の出勤を見送って後、掃除と子育てに専念する。夜になると、夫の帰りを待つ。即ち、夫の安心に仕事できるような環境を作り出している。それに対し、夫は仕事中のプレッシャーを持ち帰り、妻にの暴力にエスカレートすることは屡々である。ドラマの服部達郎は暴力を振るいながら、「お前本当に分かってないな。俺は必死に働いて自分の力でここを買った。努力してるから出世コースにも乗っている。俺がどれだけのプレッシャーの中で毎日働いてるお前には分からないのかよ。俺がどれだけお前のことを考えてるか分かってるか。俺は結婚記念日に時間を割くために、連日残業して仕事を片付けといたんだぞ」と言ったことがある。経済上に過度に夫を依頼しているばかりに、女性は自分を守れず、その暴力を黙々と飲み込むしかない。どんな辛くても、笑顔で夫に接待しなければならない。直美のお母さんはそういう状況だった。

 第二に、今の日本では、共働き家庭は増え、女性労働者も増加しているにもかかわらず、女性の経済地位の絶対的上昇には至らない。日本女性のM字型就労4は直接に就職レベルの向上に繋がっている。そのM字型就労は「男女平等に社会に参入する」という理念に離反し、女性たちは細かい仕事を余儀なくされる。その上、昇進と地位から見れば、男性より遥かに低い。それに、「結婚退職」のため、仕事が継がなくなり、再就職の時元の仕事に戻ることがほぼ不可能になるので、アルバイトをするしかない女性も大勢である。

 第三に、同じ仕事でも報酬に大きな差があるということは所々である。日本の「労働基準法」には、「男女の報酬に差があるべからず」と書いてあるのに、日本の企業は女性の効率が低い、就職年数が短い、扶養人数が少ないなどを理由にして女性の報酬を大幅に抑えている。日本では、女性の報酬は男性の60パーセントに近いとは普通である。年を食うにつれて、差別も拡大しつつある。1986年に実施された「男女雇用機会均等法」があっても、女性は本当の男性と同じ就職機会をもらっていない。年齢、婚姻関係、就職経験などのところには色々なバリアーが設置されている。

 というのは、日本の女性は経済上にある程度の自主性を持っていても、完全意味の独立にはまだ遠い。夫を離れると、基本生活さえ保障できなくなる。それも暴力を受けている女性が離婚できない原因の一つである。

 1.2 歴史と文化的要素

 海に囲まれた日本は昔から中国の儒教思想に深く影響されてきて、「男尊女卑」と人々は思っている。妻は夫の私有財産で、夫の命令に従えなければならないと考えられてきた。敗戦後行われた民主化改革により、女性が政治参入と教育権を手に入れたが、その伝統思想はまだ多くの人に評価されている。その他、「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」などの考えも大きな役割を働いている。ドラマ中加奈子の隣人はその典型である。隣人は加奈子の泣き声をはっきり聞こえるのに、聞かなかったふりをしていた。助けに行かなければ、百十番にも通報しなかった。そのため、隣人の見過ごしも殺人に繋がると言えるであろう。

2 外因

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