日本の文学作品から見る日本の癒やし系文化

 2022-01-19 11:01

目      次

一 はじめに 1

二 癒やし系文化について 2

三 癒やし系文学作品への分析 6

四 終わりに 10

致 谢 14

日本の文学作品から見る日本の癒やし系文化

朱星奕  20131322015

要旨:世界各民族は全て「癒やし」文化を持っているが、日本だけでは、癒やし文化は文学、音楽、旅行、映像、アニメ、芸人をカバーした全方位の産業体系、即ち癒し系になっている。その文化は多くの日本国民の日常生活及び潜在意識の中で持続的、含蓄の役割を果たしている。癒し系の裏には、日本民族の持っている濃厚な文化の造詣が含まれ、独特な生存価値観を体現し、日本社会意識の進化と発展を反映していると言えるだろう。本稿は癒し系の典型的なケーススタディーへの分析を通じて、その背後の文化的根源を分析し、日本癒し系文化の特徴及び現代日本社会意識の進化と発展の傾向を考察することを試みる。

キーワード:日本文学作品;癒やし系;文化;経済

一 はじめに

「癒やし」という言葉は英文の「healing」から来て、その意味は医療、癒やし、全治、治療になっている。その後は「癒し系」という言葉が派生し、ストレスが溜まりすぎた人或いは鬱病傾向にある人のために、ストレスを発散させる各種行為と手段の意味になっている。1999年以前には、「癒し系」という言葉がない。日本バブル経済の破滅により、社会が不安なムードに包まれている。癒し系の誕生は日本時代の需求に合って、日本民衆の日常生活に持続に、深刻な影響を与えている。

国内外において、主に日本のアニメから日本の癒し系文化を分析した。例えば、孟紅淼は『千と千尋の神隠しから見る日本の癒やし系文化』という研究がある。その研究は主に癒やし系アニメの特徴を分析して、『千と千尋の神隠し』というアニメの特徴を分析して、両方を結合させて、「自然尊敬」、「言霊信仰」、「無常観」、「グループ主義」という四点から癒やし系文化の根源を論述した。本稿は「自然尊敬」という観点に賛成であるが、ほかの三点は『千と千尋の神隠し』というアニメだけから分析したものであり、普遍的な代表性がないと思っている。孟妍の『アニメ作品中の癒やし系表現――「夏目の友人帳」を例として』という研究は主に『夏目の友人帳』の内容を述べて、キャラクターとストーリを分析した。そして、その研究は癒やし系文化の文化背景を「自然への尊敬」と「伝統な妖怪文化」にまとめた。筆者は「自然への尊敬」という観点に賛成である。また、韓思斉は『日本の癒やし系文化の分析』という研究がある。この研究は「癒やし系」の中身とシステムを分析し(文学作品、アニメ、芸能人などいろいろな領域がある)、癒やし系の特徴をまとめて、世界では社会性な理性化と癒やし現象を述べた。

本論文はこれらの先行研究を参考にして、日本の文学作品への分析を通じて、癒し系文化がその中での体現や文化的な根源を分析し、その独特な魅力及び特徴を探り出してみよう。

 

二 癒やし系文化について

  

1 癒やしブーム

癒やし系は1999年下半期から日本から出た言葉である。注目すべきなのは、経済産業の面において、日本の癒やし経済はすでに成熟している。居酒屋、カラオケとパチンコという三大文化はそれぞれお酒と美食、音楽歌曲、ボールゲームなどの情景空間で適切に、忙しくてストレスがある仕事からのプレッシャーを解消し、日本人のマイナスな社会的情緒を緩和している。1様々な癒し系文具とおもちゃ(例えばブライス人形、卓上型グリーンミニ盆栽、デジタル植物など)は学生とホワイトカラーから高く支持されている。日本鉄道会社は季節テーマ式の新幹線列車広告を打ち出し、人々は癒し系人気スポットへの憧れを喚起し、癒し系観光ブームを推し進めた。文化の方も癒やしブームを推し進めた。全記事を精査して「癒し」訴求製品をリストアップした結果、1988年から2001年にかけて542件の「癒し」訴求製品が提供されてきたことが明らかになった。これらは、社会的に注目を浴びた「癒し」訴求製品であると解釈できる。

2 癒し系文化の発生背景

人間において、本質的に心身とも癒やし成分を持っているが、日本の癒し系における現状を理解してから、私達は思わず「日本人はなぜそれほど癒やしに熱中し、社会文化の至る所にこの概念が溢れているだろうか。なぜ自然で寧静な音楽は必要で、自我の文学意向を探し、温暖、平淡のアニメストーリーと優雅で慎重なスター芸人が必要だろうか。」と問いかけたくなり、これらの問題は全て日本の民族文化中で答えを見つけることができる。

2.1 自然への尊敬

日本は島国で、国土全体は海に囲まれ、陸地上も豊かな森林より覆われている。大昔から今まで、日本人が見ているのは全て延々とした海岸線と壮大な緑の森林であり、また、日本は地震などの自然災害が多いため、大自然への崇拝と敬畏の心理が生まれた。今では、都市化の発展によって、至る所に鉄筋とコンクリート、高層ビルが建てられ、青い海と空はあまり見られなくなり、この種の矛盾の下で、日本人は自然と親しみ、自然へ回帰できる療養を求めるようになった。下記の『風立ちぬ』を例として、人間に感動を与えるのは、生き生きとした土地で成長している動物と植物であり、人間に快適さと安全さを感じさせるのは、丸くて調和された曲線と各種階層の大自然中の生き物である。

2.2  自己不確実感

日本の有名な社会心理学者の南博は著作の中で、「日本人の自我の中において、「客我」意識が非常に強く、あまりに他人を気遣っている意識は自我構造の全体に影響を与えている。外在の客我意識が強すぎるため、内在の客我意識は抑えられ、否定性自我を形成した。」2と書いた。彼は「日本人自我の不確実感」を提出した。日本人は主体性が足りず、自我の確立や自我主張がなく、自ら積極的に行動しないと思われたのは、全て自我の不確実感だからと考えられている。彼は日本人の文化心理特徴、例えば集団依存意識、個人が集団中のポジション重視、集団性、行為の定型化などを概括し、それらも個体が自我的確実感を獲得するためのモノになっている。下記の『ナミヤ雑貨店の奇跡』、『ひとり日和』と『ここは私たちのいない場所』は言及した自我の不確実感の「癒やし」と一致している。この種の民族心理の弱点は工業時代に入った後の日本社会で激化された。伝統家庭機能の喪失、集団感の低下、物質化と貨幣化された人間関係によって、現代の日本人、特に若者の世代において、伝統的な日本人のように、家族と集団中から帰属と依存を得られなくなり、交際から他人による自我への評価を獲得できなくなり、自我迷失が更に深刻化している。この文化的特性の典型な体現としては、今における日本社会で存在している大量なサブカルチャー集団の御宅族である。自我塑像の失敗及び人間関係の失敗によって、この集団は自分を家中に閉じこもらせ、現実社会との接触を怖がり、彼らは多くの暇な時間があるため、何とかこの種の虚しさを解消したく、この時における最良のパートナーは往々にして新発売のACGとベストセラー小説になっている。ショーペンハウアーは「我々の価値は、道徳方面にしても、知恵方面にしても、外部からのものではなくて、私たちに深く秘めて自己本性からである」と言った。

2.3  戦争の原罪

第二次世界大戦の失敗により、現代日本人の心理に、自らの国家歴史についての身分認識上で極めて大きな亀裂が生じている。外交と内政の重要な議題として、歴史問題はいつも戦後で立ち上がったこの民族国家が起源上の原罪に疑問を問いかけている。周辺諸国と国際社会からの非難と警戒に対し、前世紀の国家歴史からもたらされた心理的陰影と精神的な重荷を解消したいという思いは、自然に社会全体にある一種の集団性無意識になっている。このほか、十分な根拠が証明できるのは、この訴えを誘発する根本的な原因は現代日本人の心には自国の歴史身分への認めが大きく裂かれたということである。下記の村上春樹の作品『海辺のカフカ』はこの心理を癒す代表作であると思う。

外交と内政の重要な議題としての「歴史問題」は、20世90年代から高度政治化の姿で改めて水面に浮かび、また、この問題は絶えずに「起源」上の「原罪」について戦後廃墟から立てる当代日本を拷問している。

 

2.4  バブル経済と天災人災

バブル経済(1986年12月から1991年2月までの四年三ヶ月間)は崩れた後の十年間、経済停止が日本民衆に不安と疲労をもたらした。90年代初、泡の破裂に伴って、日本の経済は大きな後退が現れ、それから平成の大不況期入った。バブル景気3という単語もこの時に生まれた。

バブル経済とは、概ね不動産や株式をはじめとした時価資産価格が、投機によって経済成長以上のペースで高騰して実体経済から大幅にかけ離れ、しかしそれ以上は投機によっても支えきれなくなるまでの経済状態を指す。多くの場合は信用膨張を伴っており、投機が停止すると一転して信用収縮に陥る。例えば、『ナミヤ雑貨店の奇跡』において、久浩介の父はバブル経済に影響され、家族を失ってしまった。

バブル経済は日本癒し系の発生背景の一つだと思われているが、全世界では、経済危機などに影響されている人々は更に癒し系が必要だ。下記の『八月の路上に舍てる』を例として、現代経済は現代人に重い圧力をもたらし、人々が癒しの方法を求めている。

また、阪神・淡路大震災4などの自然災害と地下鉄サリン事件5などの人為災害も人々の心に恐怖と不安を刻んで、癒やし系がますます求められた。

三 癒やし系文学作品への分析

文学作品の種類は様々である。どんな作品が癒し系作品に所属するのか。一般的には以下の三つの条件を満たす必要があると思われている。一つ目は物語の風格は清新で脱俗している。二つ目は内容が人の心を暖めることができる。三つ目はストーリーの展開は比較的に緩やかである。従って、以下の作品を例として検討しようと思う。

1 『ナミヤ雑貨店の奇跡』への分析

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