『ひとり日和』から見る作家が創った人物像の共通点

 2022-01-19 11:01

目         次

一 はじめに 1

二 主人公から反映した性格特徴 2

三 作者が創った主人公の人物像の共通点 4

四 上記の特徴を創作する意義 8

五 終わりに 10

致 谢 14

『ひとり日和』から見る作家が創った人物像の共通点

殷睿婧 20121364055

要旨:『ひとり日和』は青山七恵の第二部の作品であり、作者もこれで第136回芥川龍之介賞受賞者になっている。主人公の知壽は自身から反映した人物特徴で「フリーター」の代表として社会各界に注目される。小論は知壽の人物像を分析するのに手を入れる。作者の同類作品を読むことを通して、女性の主人公は性格的に共通点があるということが分かる。その共通点の研究を基づいて、作家の気持ちや考えなどをよりよく把握することができる。

キーワード:青山七恵;「フリーター」;人物像

一 はじめに

2012年,偶然本屋で『ひとり日和』という本を読んだ。作者の青山七恵は書き振りが他人と違って、繊細で、あまり大げさをしない。叙述する方は平淡だが、主人公の知壽が「フリーター」として生き生きとしている。本を読みながら、知壽の寂しみ、悩み、茫然と勇気、そしてそれにつれてきた生き返る喜びは全部感じられた。私は知壽と彼女から反映した「フリーター」の特徴に強い興味を持って、それより青山七恵がこのイメージを作る深い意義を探求したいゆえに、小論を書いてみよう。

日本の評論界では、『ひとり日和』を讃える評論はいうまでもなく、沢山ある。石原慎太郎は「ニヒリズムに裏打ちされた都会のソリチュード(孤独)を描いて圧倒的にいい」と評価していて、村上龍も「正確に厳密に言葉を選んで書かれていて、小道具も生きている」と絶賛している。

中国側では、青山七恵作品を導入するのが遅かったが、出版されて、すぐ人気になり、販売量は百万冊を超えたということである。研究界では、その作品に関する研究は主に主人公の知壽から反映した孤独感とそれより深い原因に注目している。廣東海洋大学外国語学院の李星の論文『「ひとり日和」の中の「孤独」と「虚無」を論じて』は例の一つである。同時に、南京師範大学中北学院の林祥瑜の『80代日本女性作家青山七惠の作品モデルを論じて』と重慶師範大学の左宇の『愛の失いと探し――—青山七惠と张悦然の小説で描いた「80代女性」の比較研究』は違う人物イメージの比較を通して、知壽から体現した孤独感をより深く分析した。

小論は先ず主人公の知壽の人間関係や日常の動きから反映した心理活動を研究し、私の理解する「フリーター」の特徴をまとめることを通じて、主人公の人物イメージを分析することができる。そして、作者青山七恵の同類の作品を読むことを通して、作者が創った女性主人公は性格的に共通点があるということが分かる。最後、その共通点の研究を基づいて、作家の気持ちや考えなどをよりよく把握することができる。

二 主人公から反映した性格特徴

『ひとり日和』は「「フリーター」の青春自白」と褒められ、主人公の知壽も「フリーター」の代表として大衆に認められる。知壽の性格特徴を言うなら、「フリーター」を手に入れたほうが易しいと思う。日本政府の解釈により、「学校卒業後の15歳から34歳まで、正社員・正職員以外の就労形態で生計を立てている若者」は「フリーター」と定義される。「フリーター」に関して、意見が様々にある。「フリーター」は仕事が弾力性に富んだし、ストレスが少なく、大きな自由さを感じる。そういう考えを持って、「フリーター」に羨ましい人がいる。一方、「フリーター」は定職なく、快適さばかり求める自己主義の代表だと思っている人もいる。

『ひとり日和』の最初から、知壽のイメージが描かれた。高校卒業したばかりの知壽は勉強を続く気がなく、ふるさとの埼玉県を去って東京に着く。遠縁にあたる70代の吟子の家に居候して、共同生活をする。「来年の春が来る前に、100万円を蓄える」は目標の一つだから、派遣会社を通じてパーティのサービス員をしながら、近所の駅のコンビニで店員として働いている。知壽がしている仕事の特徴が「フリーター」にぴったり合うと思う。それに、日常の動きから反映した知壽の性格特徴も「フリーター」に関する評価にふさわしい。

知壽の心に不安全感が満ちる。人との付き合うことを怖がる。両親が離婚したあと、知壽は父親と会うことが二三回しかない。そして、成年した知壽は周りの人、特に彼氏と付き合う時、ずっと受動の状態に置かれる。言ってくれないなら、言ってあげない。言ってくれるなら、黙って耳を傾けて、たまに自分の意見を言い出す。二人のインタラクティブがあまりないので、生活は淀んでいる水のように変化がひとつもない。恋人が二股をかける可能性のあると気がしても、知壽は不用意で、何手も出さない。ただ、怠けた心を従って、失敗を見込んだ恋から逃げたくなる。知壽は住所に戻って、吟子に「やってしまった」とか「仕方ないよ、これは運命だ」と言った。本当に彼氏に振られたあと、鈍感に彼氏に電話をかけて、メッセージする。部屋でいる元彼氏の勝手な笑い声を聞けるのに、元彼氏のルームメートが言った「彼が留守した」という言い訳を受けて家に戻る。失恋した知壽は「装いもしない、コンタクトレンズの代わりに普通のメガネをかける」、そして「ますますかわくないんだ」と嘆く。そんなにかわくない知壽に対して、嘆きながら禁じえない心の中で質問が出てくる。知壽はなぜ今の失敗した境地に落ちただろか?彼女の不用意、事から逃げるばかり、目前の快適さを求める、そういうことは一切の原因ではないか?答えは勿論「イエス」であろう。では、なぜ知壽がそのような性格特徴を持っているか。作者の青山七恵が創った他の作品で知壽のような人物イメージがあるか。それらの質問を考えて、筆者は作者が創った『窓の灯』と『すみれ』を何回も読んだあと、上記の質問に自分の理解する答えをまとめてみよう。

三 作者が創った主人公の人物像の共通点

青山七恵が創った同類の作品で知壽に似っている性格を持つ人物イメージを見つけることができる。ひとつは青山七恵の出世作で、第42回日本文藝賞受賞した『窓の灯』の主人公の緑藻である。もう一つは2012年に出版したばかりの『すみれ』の主人公のレミである。

『窓の灯』の主人公緑藻は大学を退学して、一日中「香ばしい猫」で名付けられたカフェ店で「子供でも分かる文庫本」を読んだばかりである。ある日、閉店時間に近づくてもまだ帰らないので、緑藻は女将のミカド姉さんに引き取って世話をした。その後、緑藻はカフェ屋でバイトをしている同時に、そこの二階でしばらく住むことにした。『すみれ』の主人公レミは本当の名前がすみれである。彼女は花のように、美しいけど、その美しさが長く維持できない。大学の時、レミは校報のエディターとして、創った小説が何度も 「新人賞」の決勝戦に進出した。その時の彼女も「小説家になる」という夢を持っていた。しかし、そういう元気満々でしたレミは『すみれ』で登場する時にもう三十代になった。元彼氏のため親と喧嘩する。結局、家を出て、大学の親友の家に居候した。当時15歳の親友の娘である藍子と一緒に、親友を「お母さん」、親友の旦那を「お父さん」呼んだことにした。生活の中で、自分の個性のため、周りの人とうまくできない、更に「脳に病気がある」と思われる。

詳しい考えると、一見全然関係がない知壽、緑藻とレミは、性格的に共通点があることが分かる。

1 家族との関係の疎遠

『ひとり日和』、『窓の灯』、『紫罗兰』を一括見ると、作者の青山七恵が創った主人公は家族との関係が疎遠であるということが分かる。

『ひとり日和』で、知壽がまだ5歳の時、親が離婚した。知壽は母と一緒に住んでいる。東京に来る前に、知壽と父親はもう二年ぶりに会えなかった。そういう状況なら、一般的に、人はできれば早く親と会いたいという気持ちを持っているであろう。しかし、彼女は違っている。「もし私に会いに来るなら、別にどうでもいいけど。父に会いにいくつもりない。」父に愛情をあまり持たないことを「子供の頃から、父と長く暮らし経験がない」という点で理解するなら、まだ言えるかも知れない。知壽と母親もあまり親子らしくないのは道理的にならない。『ひとり日和』で、知壽と母親が最も意見が納得できない点は将来の進路である。母親にとっては、大学に戻って、ちゃんと勉強して、将来自分と一緒に中国に行くのは知壽が選ぶべき道である。(『ひとり日和』で、知壽の母親は私立中学校で働く国語の先生である。学校のプログラムで今中国で留学中)一方、知壽は自分を養う仕事があればいいと思う。学校でも、母のそばにいるでも不自由である。今まで自分と別れたことがない娘を心配するため、知壽の母は遠縁にあたる東京で一人暮らしをしている叔母さんの吟子に連絡を取る。その件に対して、知壽は「母の口癖は部屋探しの店員さんみたい」と思っている。更に、「それは子供に対する親の愛か、あるいはオート コントロールか」と疑っている。子供の頃から、知壽にとって、父親の役はずっと失う状態に置いてある。母親との関係もあまり厚くない、そのように育てられた知壽は本当に寂しいであろう。

知壽と違って、『窓の灯』の緑藻は片親家庭で育てられた子ではない。でも、親と相談せずわがままに大学を退学するので、緑藻は親と大喧嘩をして、家を出た。小説の中で、緑藻の親に関するのはこれまでの話である。『すみれ』の主人公レミと彼女の親に関する描写は小説の最後にある。藍子の親が心を込めて準備した誕生日パーティーに、レミは他人と喧嘩した。藍子もそのため怪我された。その時、藍子は母に「レミはずっと昔から時々親と喧嘩したことがある。恋愛の話も含まれた。そのため、親と絶交にしても、レミは家を出た。そして、他人にもう親戚ないように伝える。」って言われた。上記の言葉から「緑藻とレミ、いずれも親との関係が親しくない」ということが分かるようになる。家族との関係が親しくないことが、三人の性格に大きな影響を及んでる。多くの研究によると、父親からの愛があまりもらえないまたは母親一人だけで育てられる場合、子供は自己認識の方面で問題にあう可能性が普通より高い。そして、交際の時ポジチブな状況に落ちやすいということも分かるようになる。これは三人の女性主人公が人と付き合う時逃げばかりの根拠かも知れない。

2 恋人との愛情が薄いこと

三人の主人公は家族と親しくないうえ、生活も順調に進まできない。そのため、恋に入るのは必然的だと思う。しかし、三人の恋はいずれも悲しいエンドである。

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