从京都的老字号旅馆看传统文化的传承

 2021-12-08 05:12

论文总字数:13886字

摘 要

本篇论文主要以京都的老字号旅馆为论述对象,笔者在借鉴国内外专家学者对老字号企业成功经验之研究的基础上,探讨当今社会在传承传统文化之时如何学习和借鉴老字号旅馆的成功经验和精神。

于历史的长河之中世代屹立至今的老字号旅馆,一方面十分重视百年间建立起来的信赖关系以及积累下来的店铺精神,另一方面满怀沉重的使命感不畏时代的浪潮,用长期发展的视角与时俱进开拓创新,最终得以实现生生不息。

在传承传统文化之时,学习和借鉴老字号旅馆的经营理念,文化传承者不仅需要怀有经营老字号一般的责任感去粗取精继往开来,还需要努力拉近传统文化与人民大众的关系。继承和弘扬传统文化,需要年青一代自觉学习和接受文化的熏陶,提高自身文化素养;还需要政府通过大力发展文化产业以及举办多姿多彩的文化活动等行动,加强人们对传统文化的认同。

关键词:京都,老字号,老字号旅馆,传统文化

要 旨

 本論では、京都における老舗旅館をテーマに取り上げ、その成功例が伝統文化の伝承に与えられる示唆について検討した。

 何世代にもわたり生き延びてきた老舗旅館の継続者が、人間重視の姿勢で長い付き合いとの「絆」、及び暖簾における「こだわり」を大事に守りつつ、「私の代で看板を下ろしたくない」という責任使命を背負い、長期的な視点で継続させるための革新を次々と起こしてきた。

 そこで、長い歴史の中で育まれてきた文化財を守り伝えていくことも、老舗を永続させることと類似しているのではないであろうと筆者は考えている。芯の部分を代々積み重ねていきながら、不要な部分を時代に合わせて変わり続けるということだけではなく、重みのある文化と人間との「触れ合い」を増やすことにも力を入れるべきであると考えられる。

キーワード:京都、老舗、老舗旅館、伝統文化

目  次

はじめに............................................................1

第一章 京都の和風旅館..............................................2

1.1 京の雅.............................................................2

1.2 和風旅館の魅力.....................................................2

1.3 和風旅館を愛した人.................................................2

第二章 京都の老舗旅館..............................................4

2.1 老舗経営の現状.....................................................4

2.2 老舗旅館が直面する問題.............................................4

2.3 京都老舗「柊家」の知恵.............................................5

第三章 伝統文化の伝承に関する思考..................................6

3.1 価値を理解するのに必要な自分磨き...................................6

3.2 「こだわり」を貫き通す.............................................7

3.3 伝統に創意工夫を重ねる.............................................7

3.4 『鴨、京都へ行く。』のドラマから考える.............................7

おわりに............................................................9

参考文献...........................................................10

謝辞...............................................................11

はじめに

京都は平安京に遷都したことから始まる「千年の都」である。西陣織、京焼、京料理などをはじめ、数え切れないほどの「和」文化が揃えられている。そして、これらの伝統文化を支えている老舗の多くが現存し、京都は世界で稀に見られる「老舗の都市」でもある。2013年フジテレビの『鴨、京都へ行く。‐老舗旅館の女将日記‐』というドラマを観た後、筆者は京都の老舗に関心を持つようになった。調べたところ、京都府老舗表彰企業統計によると、100年以上存続している企業だけでも、京都府では1600社を超えている。老舗企業率が3.54%で、全国で最も多いという。

検討に入るに先立って、まず「老舗」ということばを定義しておきたい。本論では、「老舗」のことを創業または設立100以上の営利法人と定義する。データバンクの収録によると、日本に創業100年を超える会社が、10万以上もあるという。日本は世界でも類を見ない「老舗大国」とも言える。なぜ老舗が日本に、そして京都に集中しているかについては、これまで多くの研究がなさっている。例えば、朝日新聞(2011)の『日本の百年企業』という本では、各地域代表的な老舗企業を取り上げ、先行きの見通せない経済情勢の中で、老舗から学ぶべきものは何かを述べている。変革を恐れない、新たな顧客開拓に余念がない、顧客と厚い信頼関係を築くという、三つの共通点を見出すことができると記述されている。それと類似するのは、帝国データバンク資料館(2009)の発行した『百年続くの条件 老舗は変化を恐れない』という本である。「老舗が生き残るために必要なものは信頼と進取の気性である」、「時代の変化を恐れない元気な老舗の一人ひとりの仕事が日本を支えている」と書かれている。また、日本拓殖大学教授野村(2006)は老舗企業が地域の「顔」といって、役に立たない老舗が潰れると指摘している。野村の『千年、働いてきました』では、創業千四百年の世界で最も長い歴史を持つ企業「金剛組」の話を取り上げている。

一方、国内では、中華老舗の存続に関して、王(2009)の論文では、老舗文化の伝承が歴史発展の必然であるといっている。グローバル化が進んでいる現在、文化のアイデンティティーが注目されつつある。それに、「誠」を重視する老舗文化には、明日のビジネスを考えるヒントが詰まっていると述べている。それで、如何に老舗文化を継続させること関しては、李(2014)の論文では、老舗文化と無形文化遺産との類似性を分析し、老舗の底を流れている伝統文化を無形文化遺産として認識し、保護することが有力で効果的であると分析している。しかし、老舗の存続から伝統文化の伝承における考えられることについては、従来の研究はこの点に言及していない。

伝統文化は、「地域志向」を重視している老舗(井部ら2004,p.129)と同じように、それぞれの地域社会ならではの知恵と技を含んでいる。しかしながら、伝統文化の認識や発見は、季節の変化すら感じにくい現代大都市においては既に困難となっている。また、近年では、伝統文化と価値づけられる工芸などのさまざまな職人の技が、産業として成り立ち得ない場合、後継者不足という課題を抱えていることも現状である。

本論では、こうした現状を踏まえて、京都の老舗旅館から学ぶべきことは、文化の伝承を取り組む際に、どのようなヒントになるかのことについて論じていく。これまで老舗経営に関する理論を援用しつつ、経営面における取り組み方に関してはなるべく避けることにしておき、主に文化面の視点から論述する。以下においては、まず、京都と和風旅館に蓄積される美意識と歴史財産を明らかにし、次に、老舗経営の現状と直面する問題を検討する。最後に、歴史を刻んできた老舗旅館から文化の伝承について学べることか何かについて考えてみたいと思う。

第一章 京都の和風旅館

1.1 京の雅

京都は1200年の伝統で織り成す雅の世界とも言える。その雅とは、京都で育まれてきた美意識のことである。794年、京都に平安京が置かれると、宮廷のきらびやかな生活を彩るドームや美術品を作るため、一流の技術を持った職人達が集まった。時代を経て、美しさへのこだわりは、庶民の生活にまで浸透している。

例を挙げると、織れない模様はないとまで言われた「西陣織」は、「京の着倒れ」と言われるように、京都の人々は着るものに徹底してこだわってきた。そのほか、心を満たすお香や、繊細な器に盛られた季節感あふれる「懐石料理」、生活の知恵が隠された庭の機能美など、京都には千年以上都があったことで、百年単位で積み重ねられてきた雅の文化が深まり、暮らしの隅々に美が行き渡っていたのである。

そして、芸術や文化が庶民レベルへと下りていくことにより、京の雅が長期的にわたり存続されてきたのである[[1]]。その雅の中で、伝統的な建築の粋を集めた和風旅館のほとんどは長い歴史を誇っている。次節では、和風旅館の魅力について紹介する。

1.2 和風旅館

 畳と木に包まれた和みの旅館には、お客様の目を楽しませ、心と体を休めさせるための、様々な工夫が隠されている。

 まず、玄関から部屋への短い道行きに、旅館ならではの遊び心と仕掛けがあるという。代表例を示すと、明治6年創業の福島県会津若松市の東山温泉老舗旅館は、廊下を「コ」の字型にし、庭園と建物をいろいろな角度から楽しめるように工夫している。次に、旅館の客室と一般の和室との違いは、旅人の疲れを癒す優しい光にあるという。江戸時代から続く京都の老舗旅館柊家は、夏目漱石などの文豪が好んで滞在した。旅館の客室に必ずある広い縁側は、庭からの強い日差しをここで受け止める。それに加えて、障子と欄間も客室の明暗を和らげる。それから、明治の頃から宴会の場として設けられるようになった大広間には、最も贅を尽くしているのが天井である。そこで、各旅館は宴を華やかに盛り上がる意匠が凝らされている。最後に、一つ一つの部屋に個性があるのも和風旅館の魅力である。京都の柊家では、28ある客室すべて異なる作りである。それは、お客様の好みを考えて、さまざまな部屋を用意したからである。

日常の忙しさから解放され、くつろぎと安らぎが生まれる古風な旅館に、足を踏み入れると心が和む。そのような落ち着いた空間で、夏目漱石も川端康成も三島由紀夫も、たくさんの名作を残した。

1.3 和風旅館を愛した人

 これまで京都と和風旅館の美について述べてきたが、ここでは京都の和風旅館を愛した人々のことを見てみる。

 京都には、ノーベル文学賞を受賞した川端康成が定宿していた旅館がある。江戸時代から続く京都代表とする老舗旅館「柊屋」である。作家三島由紀夫や日本画家横山大観、チャップリンやアランドロンも、この宿に憩った。

柊家で仲居を60年も勤めた田口(2000)の話によると、川端先生が本当に無口な人で、小説を書くときはたいていが旅先の宿で執筆する。「朝まで湯気の立っている鉄瓶、ほんのりとした香の漂い、夜の坪庭にともされる石灯籠の風情は、川端先生のお気に入りのようでした。[[2]]」

川端康成も自分の『旅館に寄せた寄稿文』の中で、以下のように記している。「京都ではいつも(略)なじみの宿に安心する。昔から格はあっても、ものものしくはなかった。(略)懐かしい日本の静けさがある。わたしは旅が好きだし、宿屋で書きものをする慣はしだが、柊家ほど思ひ出の多い宿はない。」[[3]]

 また、柊家には、三島由紀夫の愛用した部屋もある。付書院のある床の間が格式を感じさせる。襖絵にはふんだんに金を散らし、豪華な雰囲気を醸し出している。中央が高くなった天井、部屋を明るく開放的に見せている。田口(前掲)の話によると、「三島由紀夫先生も京都が好きで、よくお見えになっていただきました。柊家が定宿で、あまりよそへは行かれなかったのではないでしょうか。[[4]]」

 このように、旅人の疲れを癒す旅館の優しさとそれを好んで滞在した客、それが老舗和風旅館の存続を支える一種の力なのではないであろう。詳しい検討は第三章を見てもらいたい。

第二章 京都の老舗旅館

 前章では、京都と和風旅館の底を流れる和文化について述べてきた。本章から、日本には、特に京都の老舗の経営現状と課題と秘訣について検討する。

2.1 老舗経営の現状

まず、世界最古の会社は日本にある。飛鳥時代から創業の大阪の「金剛組」という建築会社は1400年くらいの歴史を持ち、世界最長寿企業として見られている。最古企業が日本にあるだけではなく、老舗は日本に集中しているとも言える。 帝国データバンクの企業概要データベース「COSMOS2」(2008)によると、創業から100年超えの企業はに約2万社を数える。それは、企業全体の約1.6%が100 年以上の歴史を持っていることになる[[5]]。

また、その老舗の本社所在地別に見ると、次のことがわかる。第一は、最も老舗の数が多いのは東京都である。創業年代がおおかた19世紀の後半からで[[6]]、近代化が進むにつれて、幾多の民族企業は「透明の柱[[7]]」のように立ち並び、戦争や災害などの困難を乗り越え、長い歴史を刻んできた。第二に、老舗企業率の多い府県は、京都(3.54%)、島根(3.48%)と新潟(3.36%)である。戦争被害の少ないことや、地域と共存する産業が定着されていることが老舗の存続にプラスに働いている[[8]]。

その中、圧倒的トップである京都府は、前章で見てきたように、伝統文化を守り育てる土壌がある。京都の強みはまさにこの歴史財産を持つ点にあり、さらにそこから新たな価値を生み出すことである。京都の老舗産業には、長年重ねてきた「文化の芯[[9]]」のようなものが大事に守られている。革新を取り組むときに、目先の利益を求めず、企業の商売を家業の継続として経営してきた。「文化の芯」を大切に残しながらも、不要な部分を切り捨てる。現代に通じる文化性を加え、歴史財産を流動化させる。そのような継続思考と取り組み方でにより、京都の文化が厚みを増やし、古き良き老舗が生き抜いたわけである。詳しくは第3章で見てもらうことにする。

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